雪崩講習会
2009・1・24~25、長野県山岳総合センターの「講師研修会3(冬山)」に参加して雪崩の勉強をしてきた。
雪質観察(枝を刺してあるところが雪の層)
この研修会は講師の方や山岳関係者の他に、リーダーコース生も参加できる。冬山で一番怖いのは「雪崩」だ。前から雪崩には興味があり本を購入して勉強してきたが、一度しっかりした講習会を受けたかったので迷わず申込をした。
講習はサンアルピナ鹿島槍スキー場のリフトを2基乗り継いだ上部の黒沢尾根で行われた。一日目、我が班はまず雪を掘り下げて「雪質観察」を行なった。過去の雪が何層にも分かれており、過去の雪の降り方を観察することができる。この層の中には「弱層」も形成されており、実に興味深いものであった。
枝を刺してある所が雪の層
雪質観察のあとは交替でラッセルしながら1599mのピークを目指した。進んでいく地形により雪の質が変わる(地形による吹き溜まり等)ことを体感することができた。
センターにいったん戻ってから「弱層について」「なぜ雪崩が起きるのか」等、講義を受けた。事前に本で学んでいた知識を再確認することができ、また講師の実体験を交えた講義は大変参考になった。
二日目は「埋没者の捜索救出訓練」を行なった。班員8名が4名づつ2チームになり、1チームがビーコンの入った袋を雪の中に隠し、もう1チームが探すのだ。受信に切り替えたビーコンで大体の埋没位置がわかるが、ピンポイントで位置を特定するのは難しいと感じた。的確に埋没者を探すには何度も訓練が必要かもしれない。
次は「埋没体験」だ。自ら志願して雪の中に埋めてもらった(しっかり呼吸できるスペースは確保してある)が、雪の中に埋まると真っ暗になり、雪の重みで体が動かせなかった。実際に雪崩に巻き込まれて、あのまま息絶えていくことを想像すると、絶対に雪崩には遭遇したくないと思った。(雪崩に埋没した方は誰もが小さい頃から今までのことが走馬灯のように思い出されるそうだ。)
また、ゾンデ棒の操作も体験した。実際に人を突いてみると「ムニュムニュ」とした感触が伝わってきた。明らかに雪と違う感触だった。(死後硬直していても「ムニュムニュ」らしい)
次は「負傷者の搬送訓練」だ。負傷者をツェルトでくるんで、カラビナとスリングを使用して雪の上を引きずっていく方法を練習した。雪のある時期であれば大変有効な方法だ。
あっと言う間に二日間の講習が終わった。雪崩の勉強をするには大変有意義な二日間であった。
冬山には常に雪崩の危険がつきまとう。今回の講習会での経験をもとに、これから更に冬山の経験をつんで安全登山を心がけていきたいと思う。
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